裸婦に代表される優美な“乳白色の肌”で人々を魅了する画家「フジタ」は、1920年代にフランス・パリで活躍して、生涯を通じて絵画、挿絵本、版画、
子どもたちをユーモアに描いたタイル画などを制作している。

今回、箱根・仙石原の「ポーラ美術館」で、11.3.19〜12.1.15開催されている展覧会は、世界初公開37点を含め「172点」のフジタ・コレクションを展示する大規模な展覧会である。

「姉妹」（1950年　油彩/カンヴァス）

構図は、二人の少女のベッドでの朝食で、黒い背景に白いベッドが大きな画面を占め、きわめてシンプルな色彩である。

左の少女はこちらを睨み、右の少女はそれをたしなめるような視線を送っている画伯の代表的な作品とされている。

謎のある乳白色の技法の秘密は、「硫酸バリウム」を下地に用い、その上に「炭酸カルシウム」と「鉛白」を混ぜた絵具を塗っていたとされ、絵画から検出されたのは「シッカロール」であったという。

絵画に、数多くの「猫」が登場するのは、“猫は野獣性と家畜性の二つの
性質を持っているのが面白い”としている。

　好評につき開催期間を延長している「展覧会」に足を運んではいかが。

岩田　博俊（東京支部）