「フランシスコ・デ・ゴヤ」（1746〜1828）は、スペイン美術の巨匠といわれ、国王「カルロス４世」の首席宮廷画家となり、優雅な肖像画よって名声を得た画家である。

今回、「国立西洋美術館」で開催（11.10.22〜12.1.29）されている展覧会は、マドリードの「プラド美術館」秘蔵の油彩、素描、版画などに西洋美術館などの所蔵の版画を加えた“123点の一挙展示”の豪華展である。

目玉の作品は、「着衣のマハ」（1797〜1803年頃油彩/カンヴァス）で、40年ぶりに日本で公開されたために賑わっている。この名作品は、モデルの女性の上気した顔、挑戦的な眼差し、着衣が流麗なタッチと豊かな色調で描かれているのが特徴である。「マハ」と呼ばれるのは、当時、下町に生きるしゃれた衣裳で着飾った粋な女性のことで、頭から肩までを覆うレース飾りのスカーフと長いスカートを身につけて振舞っていたという。

近代絵画の先駆者と呼ばれる「ゴヤ」の世界を鑑賞してはいかが。

岩田　博俊（東京支部）